Tシャツくんシルクスクリーンインク徹底比較!プレーン・ソフト・リッチ…どれがおすすめ?インクの選び方。
発売から35年。初めての全面リニューアルとなったTシャツくんシルクスクリーンインク。
種類をどーんと増やして発売となりましたが、今回はその中でもスタンダードな「プレーン」「ソフト」「リッチ」の3種類を徹底比較!白いTシャツ、黒いTシャツに実際にプリントしてみました。
今回使うインクは?

・Tシャツくんシルクスクリーンインク<プレーン> あか/みどり
・Tシャツくんシルクスクリーンインク<ソフト> あか/みどり
・クリアインク(ソフト専用)
・Tシャツくんシルクスクリーンインク<リッチ> あか/みどり
新しくなったTシャツくんインクのスタンダードな3種類を使用します!
クリアインクはソフトに混ぜて使う特殊なインクです。
それぞれのインクを綿の白いTシャツ、黒いTシャツにプリントして違いを見てみたいと思います。
それでは早速いってみよう~!
白いTシャツにプリントしてみる
白い生地へのプリント比較。
今回はそれぞれを「みどり」を刷ってから「あか」を上に重ねてみました。
使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。
①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント

ぱっと見の特徴としては先にプリントした「みどり」があまり見えなくなっていて、後からプリントした「あか」が覆い隠しているような感じです。
インク自体の隠ぺい力が強いので、後からプリントする色がこってりと発色しています。
触った感じはちょっとザラザラ、かため。
②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント

お、リッチとは少し違うのがわかりますね!
リッチよりも先にプリントした「みどり」が透けています。
触った感じはリッチよりもやわらかく、ゴワゴワ感が少し軽減されました。
③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント

これはまたぐっと発色が変わりましたね。
リッチやプレーンよりも少しパキッとしていて、鮮やかな赤という感じです。
インクのベースが透明なので色が透けたような感じになり、「みどり」と「あか」、どちらを先にプリントしたのか分からない仕上がりになりました。
もしやこれは色組み合わせ次第で重なる部分の色を自分好みにできる…?
触った感じはシルクスクリーンとは思えないほどやわらかく、布の質感そのもの。
④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント

色が薄くなった…!
ソフトにクリアインクを混ぜることでより透明感を出すことができました。
通常白色のインクを混ぜるとパステル調になってしまうのですが、クリアインクは透明なので色を変えずに濃度を調整することができます。
触った感じは③と同じくやわらかく、インクが染み込んだ感じの仕上がり。
並べて見てみると…?

おお…!
こうして並べて見てみるとかなり違いがわかります。
色味や発色の仕方、色の重なり方など…好みのものはありましたか?
ちなみに、水性インクでのシルクスクリーン印刷で気になる「目詰まり」は以下の通りです。
<目詰まりしにくいインク>
・プレーン
・ソフト
<目詰まりしやすいインク>
・リッチ
メーカーが目詰まりしやすいなんて言っちゃっていいの?と思ったあなたへ。
その理由を「黒いTシャツへのプリント」で解明しましょう!
黒いTシャツにプリントしてみる
こちらも白い生地へのプリントと同様、「みどり」をプリントした後に「あか」をプリントしました。
同じく使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。
①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント

120メッシュにしてはきれいに発色しました!
隠ぺい力が高いインクとあって濃色生地にもふんばって発色してくれました。とくに2色が重なり合った部分は緑色が完全に見えなくなっています。
ちなみに…濃い色の素材には120メッシュより80メッシュのほうが濃く印刷できます!
その違いは次回のおぎこラボにて!しばしお待ちくださいませ!
②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント

おやおや…かなり色が薄くなりましたね。
真ん中の色が重なった部分はまだきれいに発色していますが、とくにみどりは色が沈みがちに…
リッチとプレーンを見ると先ほどの目詰まり問題、なにかヒントが見えてきませんか?
③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント

なんと…これはさすがにひどいですね。
というのもソフトは【淡色生地専用】なんです!なのでこれは不良品ではありませんよ~。
先ほどちらっとお話ししましたが、ソフトはベースが透明で染み込むタイプのインクなので淡い色の生地にしか発色しないんです。間違えて使用してしまわないようにご注意くださいね。
④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント

③よりも見えなくなってしまいましたね。淡色生地専用のインクをさらに透明にしたんですものね。割愛しましょう。
並べて見てみると…?

これは白い生地に比較してみたときより圧巻ですね!
黒いTシャツなど濃い色の生地にプリントするときは断然<リッチ>がおすすめなのが分かります。
プレーンでも発色しないことはないですが、より濃く発色させたいときは<リッチ>を使うことをおすすめします!
より濃くプリントしたいときは刷り方やスキージを変えてみるのもポイント。
刷り方でこんなに違う!?~シルクスクリーン印刷 黒Tシャツに白インク~ではこってりプリントする方法を紹介しています。
そしてここで先ほどの目詰まり問題を復習しましょう…
<目詰まりしにくいインク>
・プレーン
・ソフト
<目詰まりしやすいインク>
・リッチ
なるほど、と思ったみなさま、さすがです。
サラサラしているインクより、こってりしているインクのほうがスクリーンのメッシュを通りづらいというのはイメージしやすいかと思います。
濃い色の生地にこってりきれいに発色させるには、スクリーンの目詰まり問題と戦わなくてはならないのです…
とはいえ、逆に言うと目詰まりしやすいインクは使いづらいインクなのではなく、濃色生地に発色しやすい!というメリットを持つインクということなんですね!
Tシャツくんインクを選ぶなら…

初心者の方やシルクっぽさを楽しみたい方にはまず<プレーン>をおすすめしています。
紙に印刷したいな、布の柔らかさを残した染み込む系のプリントがしたいな、はたまたクリアインクで透明感を出してみたい!という方は<ソフト>をぜひぜひ使ってみてください!
そして、どうしても濃い色の生地にプリントしたいんだ!という方は<リッチ>をご使用くださいね。
それぞれのインクの特長や実際のサンプルはTシャツくんインク特長紹介をご覧ください!
撥水生地にプリントできるインクやもこもこ膨らむインクも紹介しています。
まとめ
シルクスクリーン印刷で避けて通れない目詰まり問題。
目詰まりしやすいインクには他にはないメリットがある!ということですね。
みなさんのインク選びにひとつ、参考にしていただけたら嬉しいです!
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Tシャツくん 発泡インクを使ってハロウィンのグッズ作りに挑戦!
発泡インクを使ったオリジナルグッズ作例 10月になり、ハロウィンが近づいてきましたね。ハロウィングッズや衣装は、市販で手軽に購入することができますが、個性を際立たせたいなら手作りがおすすめ!そこで注目なのが、熱を加えるともこもこ膨らむ“Tシャツくん 発泡インク”。この記事では、発泡インクの特徴や使い方、発泡インクを使って作るハロウィングッズを紹介します。もこもこ膨らむインクなので、子どもと一緒に作れば大喜びしそう!ぜひ、この記事を参考に、発泡インクを使ってハロウィングッズを作ってみてくださいね。 目次1)シルクスクリーン印刷の発泡インクとは?2)発泡インクの使い方とポイント3)発泡インクでハロウィングッズを作ってみよう!4)まとめ 1)シルクスクリーン印刷の発泡インクとは? 弊社Horizon製のTシャツくん 発泡インクは、熱を加えるともこもこ膨らむインクです。スチームアイロンで熱を加えると、インクに含まれた発泡カプセルが膨張して、デザインがぷっくり膨らみます。インクだけだと平面なデザインですが、発泡インクを使えば立体的になり、個性的なアイテムを作ることができるので「通常のプリントだけだと物足りない!」という方におすすめのインクです。 カラーは白、黄色、オレンジ、赤、青、コン、緑、黒の全8色。ハロウィンに合ったカラーを使って、オリジナルグッズや仮装衣装にデザインを施してみませんか? Tシャツくん発泡インクは全8色のラインナップ HANDo WEBSHOP(以下同)では、「Tシャツくん 発泡インク」を取り扱っています。「手軽に始めてみたい!」という方はぜひ、以下のリンクをご確認ください。 https://www.webshop.hando-horizon.com/SHOP/101105200.html 2)発泡インクの使い方とポイント 発泡インクの使い方とポイントを以下の4つの手順でご紹介します。 1.【印刷するものを準備】生地の下にスプレーのりを吹きかけた台紙やパネルを敷く 2.【製版】スクリーンは少し粗めの80メッシュを使う 3.【印刷】インクはよくかき混ぜてから使う 4.【発泡】生地の裏からスチームアイロンをかける 1.【印刷するものを準備】生地の下にスプレーのりを吹きかけた台紙やパネルを敷く ポイント① スプレーのりを吹きかけた台紙を敷きます まずは印刷したいアイテムを準備しましょう。このとき、印刷時に生地がズレたりよれたりしないよう、生地の下に台紙やパネルを敷きます。あらかじめスプレーのりを吹きかけて、生地を密着させ動かないようにしておくのがおすすめです。スプレーのりをかけないと、印刷後に版をもちあげた際にスクリーンに生地が張り付き、生地が毛羽立つ原因となります。 2.【製版】スクリーンは少し粗めの80メッシュを使う ポイント② スクリーンは80メッシュを使用 次におばけやかぼちゃなどのデザインを製版します。ポイントは、Tシャツくんの標準スクリーンで使用する120メッシュを使用するのではなく、少し目の粗い80メッシュを使うこと!網目が大きくなるほどインクが多く通るため、膨らみが増し、インパクトのある仕上がりになります! 3.【印刷】インクはよくかき混ぜてから使う ポイント③ インクはよくかき混ぜる 次に、印刷する位置を決め、製版したスクリーンにインクを乗せます。その際に、ヘラを使ってボトルの底からインクをよくかき混ぜることが、しっかりと発泡させるポイント。かき混ぜることで、インクに含まれている発泡剤が全体に行きわたります。 印刷する位置を決めたらインクをのせて、いざ! 版をゆっくり持ち上げましょう! なお、発泡インクは乾きやすいので、目づまりさせないために、作業を中断するときや時間を空けるとき、印刷がおわったときには版を掃除してくださいね。 版の掃除の仕方は、こちらのYouTubeの後半でもご紹介しています。 https://www.youtube.com/watch?v=E4g2VieB8fo Tシャツくん〈ミドル〉の使い方 シルクスクリーン また、目詰まりをしてしまった時の対処法はこちらの記事でご紹介しています。 シルクスクリーンの「目詰まり」問題。目詰まりを除去するには?目詰まりさせない方法は? 4.【発泡】生地の裏からスチームアイロンをかける 印刷面がしっかりと乾いたら、生地の裏からスチームアイロンで熱を加えます。生地の厚みや織り方にもよりますが、150度でおよそ30秒ほど熱を加えれば、生地に乗せたインクがぷっくりと膨らみます。ポイントはアイロンをぎゅっと押し付けすぎないこと。スチームをしゅーっと当てるように、少し隙間を開けながら温めたり、優しくアイロンで押さえたり、など膨らみ具合を見ながら作業をしましょう。 加熱すると、インクを乗せた部分がこのように膨らみます。 アイロンをあてる前と後を並べて比較すると、こんな感じ! 以下の記事では、Tシャツくん 発泡インクを使って、靴下の滑り止めを作った記事が紹介されています。作り方の工程も載っているので、参考としてご覧ください。可愛くて実用的!~シルクスクリーン印刷の発泡インクで靴下の滑り止めを刷ってみよう!~おぎこラボ 3)Tシャツくん 発泡インクでハロウィングッズを作ってみよう! Tシャツくん 発泡インクを使って、おばけやちょっぴり怖いイラストを描いた、インパクトのあるハロウィングッズを作ってみませんか? ハロウィンならではのデザインで印刷をたのしみましょう! ● Tシャツ 真っ黒い無地のTシャツに真っ白いおばけをデザインしたり、オレンジのTシャツに黒猫やドクロを描いたり、Tシャツならキャンパスに絵を描くように、楽しんでデザインすることができそう。 ● 大きめのスタイ 食事をする際につける大きめのスタイに、▲の目と鼻、口をプリントするだけでも、ハロウィン気分を楽しみながら食事ができそうですね。 ● お菓子を入れる小さなバッグや巾着 子どもが仮装してお菓子をもらいに行く際に持つ、お菓子を入れるバッグを布製の無地にすれば、プリントすることができます。大人なら、黒や白の生地に赤い血のりのようなデザインを施した巾着を制作し、そこにお菓子を詰め込んでプレゼントするのも面白そうです。 このほか、ワンピースやスカート、マント、帽子などにデザインをして、お友達と一緒に仮装してみるのも良いですね。思い出に残るハロウィンになりそうです。 3)まとめ この記事では、「ハロウィンでインパクトのあるグッズを作りたい!」というあなたに向けて、Tシャツ 発泡インクの特徴や使い方をご紹介しました。生地に乗せて熱を加えるだけで、ぷっくり膨らんだデザインが作れるので、アクセントのあるメリハリが効いたデザインにできます。 今回はハロウィングッズについてご紹介しましたが、このほか、クリスマスなどのさまざまなイベントでも活用できるので、ぜひ発泡インクでオリジナルデザイングッズを作ってみてくださいね!
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シルクスクリーンのメッシュはこう選ぶ!~120 80 60メッシュの違いと選び方~
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