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2023.11.27

シルクスクリーンで「木材」へのプリントに適したインクは?

今回は、お問い合わせの多い「木材」へのプリント実験レポートをお届けします!

木材へのプリントに適したインクはどれか、
①表面加工が施された木材
②加工無しの木材
の2パターンで検証しました。

ちなみにシルクスクリーンのインクには「水性」と「油性」があります。
HANDoでは水性インク7種類、油性インク3種類をラインナップしています。
インクの詳細はこちらの記事でご紹介していますのでぜひチェックしてみてくださいね。

それでは実験レポート、いってみましょう!

目次
・〈実験1〉木材に刷る!
・〈実験2〉表面加工された木材に刷る!
・今回使用したインクと、インク周辺商品
・まとめ

・〈実験1〉木材に刷る!

表面加工がされていない板材をえらびました!
表面加工がされていない板材をえらびました!
少しざらざらとした手触り
少しざらざらとした手触り

百円ショップで購入したこちらの板材にプリントしてみます。

表面は何も塗装されておらず、少しザラつきのある手触り。
うまくプリントできるのでしょうか…!

今回の木材はミドルサイズのフレームよりも小さく不安定だったので、しっかりと手で押さえて刷りました。

ズレないように片手で押さえて刷ります!
ズレないように片手で押さえて刷ります!

刷りあがり直後~乾燥

刷りあがりはこのようになりました!

プレーンインク
油性インク
油性インク

・プレーンインク:
すぐに木材に染みこみ、10分程度で触っても指に付かないくらいに乾きました。
仕上げはドライヤーで乾燥をします。

・油性インク:
刷った直後からかなりツヤのある仕上がりに。すぐには乾かないので、触ったら指にインクが付着してしまいそう。
油性インクの仕上げは、ドライヤー乾燥では硬化しないため、24時間自然乾燥をさせます。

印刷翌日の耐久テスト

そして、翌日の状態がこちら。

プレーン印刷翌日
プレーンインク印刷翌日
油性インク印刷翌日
油性インク印刷翌日

・プレーンインク:
木に馴染んでマットな風合いで、サラッとした触り心地です。

・油性インク:
翌日もツヤツヤとした光沢が残り、触り心地はニス塗装が施されたような、ツルっとした表面。

それでは、ドキドキしながらコインを使って引っ掻いてみます!!
女性スタッフが強めの力で10往復ほど、引っ掻きました。

木材の表面自体が削れた影響でインクも少し剥がれてしまいました。
木材の表面自体が削れた影響でインクも少し剥がれてしまいました。
油性インクも同様に少し剥がれました。

いずれも多少色が薄くなりましたが、インクが剥げたというより木材の表面自体が削れて、インクごともっていかれたような感じです。インク自体はいずれもしっかり定着している印象。

さらに、水に濡らして擦ってみるとどうでしょうか?

プレーンインク
プレーンインク
油性インク
油性インク

水に濡らした時点ではいずれも全く変化はありませんでした。
しかし、スポンジで擦るとプレーンの方が微かに薄くなりました。
ただ、引っ掻きテストと同様に、木材の表面自体がカスレてインクがもっていかれたような感じになりました。

木材プリントまとめ

・プレーンインク、油性インク、いずれも定着は◎
・耐久性は大きな差はないが、木材の表面自体が剥げやすく、インクも一緒に剥げてしまう。
・耐水性はいずれのインクもある程度見込めるが、擦るとプレーンの方がやや薄くなるかも?
・インクによって仕上がりの風合いが異なる!プレーンインクはマットに、油性インク光沢のある仕上がりに。

〈実験2〉表面加工された木材に刷る!

ラッカー塗装が施されたまな板
ラッカー塗装が施されたまな板
ツヤツヤとした表面
ツヤツヤとした表面

続いて、ラッカー塗装が施されている木材にプリントします。

※ラッカー塗装とは耐水性や表面の傷を防ぐ効果のある仕上げ塗装の方法です。

今回の実験ではこちらのまな板を使ってみました。表面はトゲもなく滑らかな触り心地です。

◆使用インク:
プレーンインク「くろ」
リッチインク「くろ」
油性インク「くろ」
撥水インク「くろ」
◆使用スクリーン:120メッシュ
◆検証:印刷翌日の耐久テスト(①引っ掻きテスト②水濡れ&擦りテスト)

刷りあがり直後~乾燥

刷った直後の状態がこちら。

プレーンインク
プレーンインク:部分的にインクを弾きました
油性インク
リッチインク
撥水インク

・プレーンインク:
部分的にインクを弾くような刷り上がりになりました。
特に線のデザイン部分(赤の点線)の弾きが目立ってしまう結果に。

・リッチ・油性・撥水インク:
かなり綺麗にインクが乗りました。
触らないように気を付けて、このまま乾燥させます。

プレーン、リッチ、撥水インクはドライヤー乾燥、油性インクは自然乾燥で翌日のテストに挑みます!

〈補足〉
ラッカー加工は表面がツルツルとしていて、スキージが滑りやすいため、印刷の際は滑らないようにしっかり押さえる、丁寧に刷る、など注意が必要そうです。
最初に実験したプレーンインクは刷りはじめの部分がずれてしまいました…!

印刷翌日の耐久テスト

まずは10円玉で引っ掻きテスト。
10往復程、女性スタッフが強めの力加減で引っ掻き、結果はこのようになりました。

プレーンインク
プレーンインク
油性インク
油性インク
リッチインク
リッチインク
撥水インク
撥水インク

・プレーンインク:
しつこく強く擦ると明らかに色が薄くなりました。ただ、思いのほか剝がれにくい!

・油性インク:
なんということでしょう。コインで削ると、2往復目くらいからすぐ剥がれてしまいました。
昨日の時点では油性がよさそう!と思っていたのに…。

・リッチインク:
こちらもしつこく擦ると、インクが剥がれてきました。

・撥水インク:
強く擦ってもまったく変化なし!いい感じです。

続いて耐水チェックです。

水に濡らしてから、波線を中心に食器洗い用のスポンジで10往復ほど擦ってみました。
水で濡らした時点ではいずれも変化は無かったのですが、スポンジで擦ると以下の通り差がありました。

プレーンインク
プレーンインク
油性インク
油性インク
リッチインク
リッチインク
撥水インク

・プレーンインク:
インクが溶けてきて、全体的に薄くなりました。細い波線の部分はさらに擦ると消えてしまうかも。

・リッチインク:
プレーンよりは薄くならないものの、やはりこちらもくり返し擦るともっと薄くなりそう。

・油性インク:しつこく擦るとインクが剥がれて、エッジがボロボロになってきました。

・撥水インク:
まったく変化なし!撥水強いです!!

表面加工木材プリントまとめ

・そもそもプリント時に滑る。プリントのズレに注意。
プリント自体はいずれのインクも可能〇。ただしプレーンインクは少しインクを弾く。
・耐久性、耐水性ともに、撥水インクがベスト!

今回使用したインクとインク周辺商品

それぞれの商品の使用上の注意や使い方については、リンク先の商品ページをご覧ください。

・プレーンインク くろ
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・リッチインク くろ
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・油性インク くろ
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・撥水インク くろ
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・撥水インク 硬化剤
⇒ 撥水インクを使用の際は、必ずこちらの硬化剤をインク量の1%を混ぜて使用します。
硬化剤を入れないとインクが固まらないのでご注意!
⇒ 硬化剤を入れたインクは5時間ほどで使えなくなってしまうので必要な分を別容器に取り分けて使ってくださいね。
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・Tシャツくん ふきとり&うすめ液
⇒ 油性インクが付着したスキージやヘラの掃除に使用。油性インクご使用の際はセットでの購入を推奨しています!
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まとめ

塗装されていない木材であれば、水性のプレーンインクでもしっかり定着することがわかりました◎
ラッカー塗装が施された木材に関しては、撥水インクでのプリントなら耐久性も問題なさそうです!
その他のインクも、耐久性・耐水性は劣りますがプリント自体は可能という結果でした。
用途やご使用する環境に応じてお選びくださいね。