シルクスクリーン 多色刷りの位置合わせのコツをご紹介!~②トンボ編~

前回の記事では、シルクスクリーンの多色刷りの位置合わせコツとして、クリアファイルを使った方法をご紹介しました。
ただし、以下のような条件下には適していないという点もお伝えしました。
・版を固定できない環境
・厚手の素材に刷るとき
・クリアファイルよりも大きいものに刷るとき
例:大人用のTシャツ、トレーナー、マチの付いた袋物(バッグ、巾着)、など
そこで、今回は上記の条件でもできる、〈トンボ〉を使った位置合わせの方法をご紹介します。
トンボで位置合わせをする方法
必要な道具
通常のシルクスクリーンの道具と、〈透明のセロハンテープ〉をご用意ください。
〈STEP1〉多色刷り用のトンボ入り原稿を作る
まずは、色ごとの原稿を用意します。ここでのポイントは、版を重ねるときの目印として、データごとに「トンボ」を入れること!トンボを重ねて1色ずつ印刷をすることで、デザインが完成されます。
トンボを入れるうえで、注意点が3つ!
① トンボは各データ同じ位置、同じ形状、同じサイズで入れてください。
② トンボは、データの四隅または上部分だけでOKです。(センタートンボも不要)
③ デザインから1~2㎝ほど余白を開けて配置してください。
今回は、こちらの2版のデータを用意しました。下画像の〈版1〉と〈版2〉を2色刷りして、「仕上がりイメージ」のデザインを作っていきます。


Tシャツくんのミドルフレームに、上下に配置をして製版しました。トンボも一緒に製版してくださいね。
1枚のスクリーンにまとめて配置する場合、しっかりと間隔をあけると刷りやすくなりますよ。

またこのときに、トンボ付きの仕上がりイメージを、印刷する素材の数量分、原寸コピーをしておいてください。(STEP2で使用します!)
〈STEP2〉印刷する位置を決める
次に、STEP1で原寸コピーした仕上がりイメージを使って印刷する位置を決めていきます。

位置が決まったら、画像のようにマスキングテープで貼り付けてからトンボ部分だけを残して他の部分を切り落とします。


印刷する素材がいくつかある場合は、あらかじめすべてに貼っておくとスムーズです。
〈STEP3〉版のトンボにセロハンテープを貼る
スクリーン上のトンボの穴を、裏表両面からセロハンテープでふさぎます。こうすることで、インクが通るのを防ぐだけでなく、スクリーンの下が透けて見えるのでトンボの重なり具合が確認しやすくなります! マスキングテープでも代用できますが、やはり「透けて見える」という点でセロハンテープがおすすめです。


ここまで準備ができれば、あとは簡単に刷ることができますよ!
〈STEP4〉1色目の印刷
印刷する素材に中敷きをセットしてから、1色目を刷っていきましょう。
素材に貼り付けたトンボに重ねるようにして版を置きます。

位置が固定できたら、インクを乗せて1色目を印刷します。たくさん刷る場合は、セロハンテープの透明度をキープしたいのでなるべくセロハンテープの上を避けてインクを置いてくださいね。

できました!ここで、素材に貼っているトンボをうっかり剥がさないよう要注意です!最後の印刷が終わるまで貼ったままにしておきましょう。
そして2色目に移るまえに、版の掃除もお忘れなく!
〈STEP5〉2色目の印刷
1色目に印刷したインクがしっかり乾いたら、2色目にいきましょう!
やり方は1色目と同様。まずはトンボを重ねて印刷する位置を固定します。

位置合わせができたら、版にインクを乗せて、印刷していきます。


どうしょう!ズレることなく、きれいに重なりました!3色以上刷る場合も、同じ工程で刷ってくださいね。
最後に、素材に貼っていたトンボを剥がしてからしっかりと乾かして完成!布地の場合はアイロンをするとより定着します。
セロハンテープについたインクは拭き取れる
万が一セロハンテープの上にインクが付いてしまってもティッシュや布で簡単に拭き取ることができます。
時間がたって乾いてしまった場合は、水で濡らした布で拭き取ればOK。

まとめ
クリアファイル編とは違い、原稿のつくり方がポイントになるトンボ編、いかがでしたか?
フレームを固定する道具がないときや、スウェットなど厚めの素材に刷るときにはとても便利な方法です。
印刷する状況によって、やりやすい方法をえらんでくださいね。
多色刷りはどうしても手間と時間がかかりますが、そのぶん完成したときの感動はひとしお! 慣れてきたら色パターンを変えてみたり、あえて少しズラすことで味を出してみたり、手刷りならではの良さを楽しんでください!
▶〈トンボを使った位置合わせ〉方法はYouTubeで動画編も公開中!
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プリントするインクの色が赤でも青でもデザインは白黒で作成をしましょう。グレースケールK100%、もしくはR=0,G=0,B=0で作成してくださいね。 入稿データのサイズ 入稿データのサイズは、製版サイズと同じにする必要があります。 ロゴスルのフレームサイズは120mm×120mmです。必ずここに収まるサイズで作成しましょう。 ※どのデータ作成方法でも共通の注意点 入稿データの作成は、シルクスクリーン印刷において非常に重要な工程です。正しく作成された入稿データは、製版作業において版の汚れやズレを防ぎ、印刷される商品のクオリティを高めます。特に、デザインの色が真っ黒(グレースケールK100%、もしくはR=0,G=0,B=0)でないと版がきれいに作成できません。また、1mm以下の細い線や、1mm以下の隙間は製版後、うまく印刷できません!ここは特に注意してほしいポイントです。 ●手描きでのデータ作成方法 紙に手描きでデザインを描きます。下書きなどは鉛筆で描いてから、ペンなどで線をはっきりとなぞりましょう。 スキャンする。スキャンの際には鉛筆の跡もしっかり消しておきましょう! 手描きのデザインをスキャンしましょう。スキャン時には、解像度を300dpi以上に設定し、ファイル形式はPDFにしましょう。できればモノクロ2階調でスキャンします。 ※手描きの場合はスキャンしてPDFにする(製版できるサイズに注意)ことが必要です。 ※手描きで原稿を作成する場合に注意する点 はっきりとした黒ペンを使用する 手描きで原稿を作成する場合は、1mm以上の黒い油性ペンなど、はっきりとした黒ペンを使用しましょう。また、ベタ面は黒く塗りつぶすようにしましょう。 細すぎる文字や線、カスレに注意する 手描きで原稿を作成する場合、細すぎる文字や線、カスレはうまく製版できない場合があります。そのため、文字や線は太めに描き、カスレないようにしましょう。 スキャン時に注意する 手描きで作成した原稿をデータ化する際には、白黒モード(白黒2階調)でスキャンするようにしましょう。また、紙の色を取りこまないように注意してスキャンします。最後に、PDF形式で保存し、必ず原寸大でのご入稿をお願いします。 以上が手描きで原稿を作成する場合に注意する点です。手描きで作成する場合でも、丁寧に作業をすればスムーズに製版用のデータを作成することができます。 *スマホでスキャンしてPDFにする方法 スキャンアプリをダウンロードする 2階調化機能がついているスキャンアプリをスマートフォンにダウンロードします。おすすめのアプリには「CamScanner」、「ScanPro」、「Adobe Scan」などです。 データをスキャンする スキャンアプリを起動し、スマホのカメラでデータを撮影します。スキャンする際は、データの周りを明るくするためにライトを使うと良いでしょう。 ページを編集する スキャンしたページを確認し、2階調化して、必要に応じて回転やトリミングを行います。 アプリによってはスキャン(撮影)の時に2階調を選ぶ場合もあります。 PDFに保存する 編集が完了したら、PDF形式で保存します。スキャンアプリによっては、保存先をGoogleドライブなどのクラウドストレージに設定することもできます。 以上が、スマホでスキャンしてPDFにする方法です。スマホで手軽にデータを作成できるため、外出先や急いでいるときにも便利です。ただし、スキャンしたデータが、製版用のデータになる場合は注意が必要です。正確なデータを作成するようにしましょう。 ●Illustratorでのデータ作成方法 スクリーン印刷においては、Illustratorでのデータ作成が一般的です。以下に、Illustratorでのデータ作成方法について詳しく解説します。 まず、新規ファイルを作成し、アートボードを設定します。ファイル → 新規で新しいファイルを作成し、サイズや解像度、色モードなどを設定します。その後、アートボードを製版サイズに設定します。AIファイル(Illustrator)はVer.CCです。ダウンロードできるアートボードが製版サイズとなっています。デザインはアートボード内に収めてください。 次に、デザインを作成します。テキストツール、図形ツール、ペンツールなどを使用してデザインを作成します。また、必要に応じて画像を取り込んで加工することもできます。 レイヤーを整理し、必要な要素だけを残すようにします。また、レイヤーの名前をわかりやすくすることも大切です。 アートボード内に収まるようにデザインを調整し、製版サイズ内にデザインが収まるように、必要に応じて縮小や配置の調整を行います。 保存する際はファイル形式を「AIファイル」に設定し、Illustratorで再度編集できるようにしておきます。 ※Illustratorでのデータ作成の注意点 RGBモードので編集がおすすめ Illustratorでは、デフォルトでCMYKモードで作成されますが、スクリーン印刷ではRGBモードで作成することが望ましいです。 色の設定に注意しましょう。 スクリーン印刷では、純粋な黒以外の色が使用される場合が多いため、RGB値をR0,G0,B0にするか、グレースケールに設定しましょう。CMYKに設定すると、網点が現れてしまいます。 テキストデータをアウトライン化しましょう。 スクリーン印刷では、フォントがうまく出力されない場合があるため、テキストデータはアウトライン化してください。また、不要なレイヤーは全て削除してください。 配置画像は「埋め込み」しましょう。 配置画像を使用する場合は、必ず「埋め込み」で挿入してください。リンクされた画像を使用すると、出力時にエラーが生じる可能性があります。 細い線や白抜き部分に注意しましょう。 線幅3pt(実寸1mm)以下の線や白抜き部分は上手く製版できません。 ●Photoshopでのデータ作成方法 新規ファイルを作成し、カンバスサイズを設定します。 ファイル → 新規で新しいファイルを作成し、サイズや解像度、色モードなどを設定します。その後、カンバスサイズを製版サイズに設定します。ダウンロードできるPSDファイル(Photoshop)は、カンバスサイズが製版サイズとなっています。デザインはカンバスサイズ内に収めてください。 デザインを作成します。 ペンツールやブラシツールなどを使用してデザインを作成します。また、必要に応じて画像を取り込んで加工することもできます。 カラーモードを「グレースケール」に設定します。 製版する際に、インクの色を一色にする必要があるため、カラーモードをグレースケールに変更します。 レイヤーを整理します。 デザインのレイヤーを整理し、必要な要素だけを残すようにします。また、レイヤーの名前をわかりやすくすることも大切です。 カンバスサイズ内に収まるようにデザインを調整します。 製版サイズ内にデザインが収まるように、必要に応じて縮小や配置の調整を行います。 ※Photoshopでのデータ作成の注意点 テキストデータをラスタライズする スクリーン印刷では、フォントがうまく出力されない場合があるため、テキストデータはラスタライズしてください。また、不要なレイヤーは全て削除してください。 濃度の薄い部分に注意しましょう スクリーン印刷では、濃度の薄い部分はうまく製版されない場合があります。データを作成する際は、濃淡のあるデータは網点処理またはモノクロ2階調で作成するようにしましょう。 ●WordやPowerPointでのデータ作成方法 WordやPowerPointでのデータ作成方法について解説します。 まず、スキャンした手描きの原稿や画像が必要な場合は挿入します。その後、以下の注意点を守りながらデザインを作成します。 デザインは原稿のサイズに収まるように調整します。 文字の色は黒で設定し、フォントは日本語以外の場合は変換されないため、使用しないでください。 細すぎる文字や線、カスレはうまく製版できません。 白抜き部分は設定せず、必ず黒く塗りつぶします。 デザインが完成したら、以下の手順でPDF形式で保存します。 ファイルタブから「名前を付けて保存」をクリックします。 ファイルの種類を「PDF」に設定します。 「オプション」をクリックし、圧縮方法を「圧縮なし」に設定します。 「標準」をクリックし、印刷品質を「高品質印刷用」に設定します。 「OK」をクリックして保存します。 以上が、WordやPowerPointでのデータ作成の基本的な流れです。スクリーン印刷に適したデータを作成するために、注意点を守りながら作成してください。 ※WordやPowerPointでのデータ作成の注意点 WordやPowerPointなどのオフィスソフトを使用してロゴスル・シルクスクリーンキットの入稿用データを作成する場合は、以下の点に注意してください。 ・文字や図柄は黒一色で作成すること ロゴスル・シルクスクリーンキットでは、印刷に使用するインクが一色であるため、デザインも黒一色で作成する必要があります。 ・PDF形式で保存すること PDF形式で保存することで、データの再利用性が高まります。また、ファイルサイズが小さくなるため、送信やアップロードの際にも便利です。 以上の点に注意して、WordやPowerPointなどのオフィスソフトで入稿用データを作成してください。ただし、デザイン性や印刷品質を考慮すると、IllustratorやPhotoshopなどの専門的なデザインソフトを使用することをおすすめします。 入稿する データを作成したら、ロゴスルのサイトから入稿するためのアカウントを作成し、データをアップロードしてください。スタッフが入稿データを確認し、製版済みのスクリーンと必要なセットをあなたの元に送付します。 データ名にご注文者のお名前をご記入し、PDF形式で保存してください。 例)「半戸 刷子_入稿データ.pdf」など 件名に「製版データ入稿」、本文に以下の情報を記載してください。 ・お名前 ・ご注文番号 ・ダウンロードURL データの圧縮は必ずzipファイルにてお送りください。7zファイルや、その他の圧縮方式は確認できません。 データの送信は「ギガファイル便」などの無料サーバーにアップロードして、以下内容を添えて hf.info@horizon.co.jp までご連絡ください。 ※必ずご登録いただいたメールアドレスからお送りください。 ●「ギガファイル便」とは 「ギガファイル便」とは、大容量のファイルをインターネット経由でやりとりするためのサービスです。無料で利用でき、ファイルの送信先のメールアドレスを指定するだけで、最大2GBまでのファイルを送信できます。また、ファイルを受け取った相手は、URLをクリックするだけでダウンロードが可能です。セキュリティ面についても、ファイルにパスワードを設定することができるため、安心してファイルのやりとりができます。 ロゴスルの入稿期限は、ご注文から2週間以内です。ご注文から2週間を過ぎてしまうとご注文はキャンセルとなりますのでご注意ください。 以上が、シルクスクリーンキット・ロゴスルを注文してからデータを入稿するまでの流れとなります。注意点に留意しながらデータ作成と入稿を行えば、あとはプロの手でシルクスクリーン用の版が製版されて届きますので、簡単に思い通りのものつくりをすることができます。 次回はいよいよ、印刷編です!実際にシルクスクリーン印刷を行う手順をもう一度おさらいしましょう!